TOP-MAKE with-PRODUCTS-サスティナブルWEBマガジン『雨は友達』vol.03

グラベルフィックスがサステナブルな未来を連れてくる新しい時代の造園業界の使命とは

ヨーロッパでの施工事例。美しい砂利と庭園の融合は素晴らしい

これからのランドスケープ、造園には何が求められているのでしょうか。洗練されたデザインや安心・安全・暮らしやすい街づくり。そういったものは当たり前で、さらにその先を目指していかなくてはなりません。環境に配慮され、持続可能であること。グラベルフィックスのようなサステナブルな資材は、日本の新しい造園業界を支えていくものになると感じました。

雨と生態系の繋がり

グラベルフィックスの一番の特徴は透水性があるということです。なぜ透水性は大事なのでしょうか。地球上の生き物に必要不可欠な水は雨という形で地上に降り注ぎます。人間だけでなく、動物や植物も雨が降らなければ生きていけません。雨は地中へ浸み込み、健康な土壌を育て、地下水となり豊かな湧水をもたらします。湧水が川となり、海へ流れ込むことで、森の栄養を沿岸の生態系に運びます。水の移動は豊かな生態系の構築に欠かせないものです。舗装の多い都市部では、地中に浸透する雨水よりも雨水管による雨水の処理が上回り、地下水位の低下が発生しています。地中に浸透する水を増やすことが、生態系を守ることに繋がります。

水とヒートアイランド現象

夏の気温上昇は誰もが実感していることですが、特に都市部はヒートアイランド現象により一層気温が高くなっています。ヒートアイランド現象は、アスファルトやコンクリートが夜間まで冷えずに熱を溜め込むこと、緑地や水面の減少により水の蒸発による気温低下が少ないことが原因と言われています。コンクリートやアスファルトのような舗装を減らし、透水性のある素材を使うことで、ヒートアイランド現象の緩和につながります。グラベルフィックスは透水性を保ちながらも車載が可能なほど耐荷重に優れるため、様々なシーンで安心して提案ができると感じました。

水害対策の一助として

我が国はもともと雨の多い国ですが、近年の気候変動の影響により、より一層の水害への対応が求められています。従来のインフラでは処理しきれないレベルの雨が頻繁に降るようになりました。透水性のある地面は、雨水管へ一気に流れ込む雨を減らす役割を持ちます。雨水をどのように処理していくか、ということはこれからの日本で大きな課題となるはずです。グラベルフィックスは水害対策への回答の一つになるでしょう。

サーキュラーエコノミーを実現するCradle to Cradle(ゆりかごからゆりかごまで)という考え

グラベルフィックスを最初に見たときは、似た構造の他商材との違いを感じませんでした。ですが、グラベルフィックスを知れば知るほど、グラベルフィックスがサステナブルな商材として一線を画していると確信しました。そのことが分かりやすく示されているのがCradle to Cradle認証でしょう。

Cradle to Cradle(ゆりかごからゆりかごまで)という言葉をご存知でしょうか?循環型のものづくりの在り方を示した言葉で、生産された製品全てを再利用できる仕組みを表します。現在の生産→消費→廃棄という消費活動が様々な問題を引き起こし、持続的ではないことは明白です。Cradle to Cradleはサステナブルな社会を作るための原点ともいえる概念です。

Cradle to Cradleに則した製品づくりを推進するため、EPEA(環境保護促進機関)が母体となり、持続可能なものづくりをしている企業に向けてCradle to Cradle認証という制度を運営しています。認証には厳しい基準が設けられ、環境負荷を低減するだけでなく、環境・社会・経済をより良くしていくという視点も盛り込まれています。

生産過程からサステナブルにこだわりぬいたグラベルフィックス

BERA社のグラベルフィックスはCradle to Cradleシルバー認証を受けています。グラベルフィックスはその性能だけでなく、生産の段階から環境への配慮がなされているのです。グラベルフィックスの原材料の100%を、家庭から出るプラスチック廃棄物からリサイクルしており、グラベルフィックス自体も100%リサイクルが可能です。素材はポリエチレンというプラスチックです。屋外使用のプラスチックで気になることと言えばマイクロプラスチックですが、グラベルフィックスは高強度のプラスチックであるため、マイクロプラスチックが発生する心配はありません。チェコにあるグラベルフィックスを生産する工場では、使用する電力全てを工場内の廃棄物100%利用の太陽光発電で賄っています。まさに、「ゆりかごからゆりかごまで」という概念を体現している製品なのです。このレベルのものづくりが造園業界でも当たり前となれば、わたし達にサステナブルな未来が待っているのではないでしょうか。グラベルフィックスは明るい希望を抱かせてくれます。

グラベルフィックスは、性能だけでなく原材料の調達から生産までこだわりつくして開発された資材です。今はまだ日本国内にはCradle to Cradleの認証を受けるレベルの造園資材は希少です。グラベルフィックスが日本の造園業界を変えていく存在になると期待します。

※写真は、すべてオランダBERA社から提供された、海外施工事例

MYKE Partner
エノコロ庭園設計室 舩村 佳織

千葉大学園芸学部卒業。東京・兵庫の造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行う。ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。2021年よりエノコロ庭園設計室。
|樹木医(第2759号)・一級造園施工管理技士|
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2023年より、MYKEWEBで「環境と庭」をテーマに情報発信していただいています。
2児の子育て中でもあり、家族と共に育つ庭、家族に寄り添う庭を提案されている、サスティナブルガーデナーです。

https://enokoro-teien.com/

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