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庭の水はけを改善したい!かかる費用や状況別の対策方法を徹底解説

自宅を新築したり新しく引っ越した先で、いざ住みはじめてみると庭の水はけに問題があって困っている…という方も多いのではないでしょうか?

中でも「水はけが悪く雨の日にはすぐ水たまりができる」「雨の日の翌日は地面がぬかるんで洗濯物が落ちたら大惨事」といった、水はけの悪さに関する悩みは一刻も早く改善したいですよね。

対策として、土を埋めてアスファルトを敷いたり、カーポートへのリフォームを検討されている方もいるでしょう。

大がかりな工事をする前に、自分でできる対策も実は多くあります。もし被害がそれほど重くないのであれば「庭の凸凹を整える」「砂利を敷く」など、比較的簡単な方法で対処することが可能です。

そこでこの記事では、庭の水はけの悪さの原因や状況に応じた改善策、必要な費用などについてわかりやすく紹介します。水はけを改善するための具体的な方法を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

庭の水はけの悪さの原因は?

水はけを改善するには、原因を正しく突き止めることが大切です。まずは、水はけの悪い庭の特徴を説明します。ご自宅の庭に当てはまっていないかを確認してみましょう。

粘土質で雨水が浸透しにくい

水はけが悪い理由として、一番多いのが「土が粘土質」であることです。

粘土質の土は保水力が高く、粒子が非常に細かいため、雨が降っても地面に浸透していきづらいという性質があります。地面に溜まった水が自然に蒸発するのを待つしかないため、日当たりがよい場所であってもなかなか水が引かないという現象が起こるのです。

また、土に石や瓦礫が多く含まれる場合も水はけの悪さにつながります。

庭の凹凸が激しく、水たまりができやすい

2つ目の理由は、庭に凸凹がある場合です。水は高いところから低いところに流れる性質があるため、凸凹があるとその部分に水たまりができやすくなります。

庭の中でとくに凸凹ができやすいのは、擁壁やブロック塀まわり。擁壁やブロック塀を建てる際には、いったん土を掘り起こし、埋め戻す作業が必要です。その際に土の強度が弱まるため、雨が降るとくぼみができやすくなり、水が溜まる原因になります。

勾配がとれていない

庭の水勾配がとれていないことも、水はけが悪い要因の一つです。水勾配とは、水を流すための傾斜のことで、雨水を適切に排水する役割があります。

水勾配がとれていない平坦な土地に雨が降ると、雨水は流れていかずその場に溜まった状態に。新築の場合、ガレージは水勾配が考慮されていても、家まわりや庭の水勾配まで考えられていないケースもあるため、注意が必要です。

軽度であればお金をかけずに対処できる

水はけの悪い部分が狭い範囲に限られているのであれば、専門業者に頼まなくても改善できる場合があります。

ここからは、DIYでできる簡単な対処法を紹介します。「庭にぬかるみや水たまりができる箇所がある」と、お困りの方は参考にしてください。

雨水桝のフタを交換する

雨水桝とは、雨樋から流れてきた雨水を排水管に流す装置のこと。地中に設置されており、一時的に雨水を貯めておく役割もあります。

この雨水桝が周りの地面よりも低い位置にある場合は、雨水桝のフタを格子のフタに変えることで、水の流れがよくなり、水はけが改善されるケースがあります。

必要なものは、格子のフタのみ。ホームセンターでも2,000〜3,000円前後で購入できるため、まずは気軽にできる対策を試したい方におすすめです。購入する前にフタのサイズをしっかり測り、大きさがあうものを選びましょう。

ただし雨水桝が周りの地面より高い場合は、新たに排水設備の設置や配管工事が必要になるため、専門業者への依頼が必要です。

雨水浸透桝を設置する

水はけの悪い箇所のまわりに、庭に穴を掘って雨水浸透桝を設置するのも効果的です。雨水浸透桝とは、雨水を集めてそこから地面に浸透させる機能を持ったもので、簡易的なものであればDIYでも設置できます。

雨水浸透桝を設置する方法は、以下を参考にしてみてください。雨水が浸透する層まで、深く穴を掘るのがポイントです。

①穴を掘る

②透水シートを敷く

③底に砕石を敷き詰める

④雨水桝を設置

⑤雨水桝のまわりを砕石で覆う

⑥格子のフタをつけて完成

雨水浸透枡は、ホームセンターで3,000〜4,000円前後、砕石(18kg入り×5袋ほど)は5,000~10,000円前後、透水シートは3,000円前後で手に入ります。穴を掘るショベルとあわせても、およそ2万円以内で対処できるでしょう。穴を掘るのは労力がかかりますが「お金をかけずにDIYで改善させたい」という方は、挑戦してみてはいかがでしょうか。

傾斜をつけて整地する

水はけを改善するには、地面に傾斜を作ることも重要です。雨水は土にしみこむ量よりも地面の上を流れる量の方が多いため、雨水桝や排水溝へ水が流れるように傾斜を作ることで、効率的に水はけを改善できます。見た目にも違和感がないよう、できるだけなだらかな傾斜を作るのがポイントです。

なお、擁壁やブロック塀まわりなどに水が溜まってしまう場合は、傾斜を作る前に土を追加して凸凹を埋めておきましょう。

整地には、土を掘り起こすための剣先ショベルと、表面をならすための角ショベルの2種類を用意しておくと便利です。それぞれ2,000〜3,000円前後で手に入り、土や一輪車などをそろえても、1万円前後で済むでしょう。水はけが悪い部分が限定されているなら、DIYで傾斜を作ってみるのも一つの方法です。

砂利を敷く

水たまりやぬかるみがそれほどひどくない場合は、砂利を敷くことにより改善できる場合もあります。実際に水はけをよくするわけではありませんが、砂利によって地面との間に隙間ができるため、水たまりが目立ちにくくなります。またぬかるみがあっても直接触れることがなくなるので、その上を歩いても泥がつく心配がありません。見た目もよくなり、デザイン的にも優れた方法といえるでしょう。

砂利を敷く費用は「面積(平方メートル)×厚み(センチメートル)×20=必要な砂利の量(キログラム)」で計算できます。

たとえば、庭の一部に砂利を敷く場合(約2平方メートルに5cmの厚みの砂利)の必要量は

、2×5×20で200㎏。10kg入りの砂利はホームセンターで500円ほどで売られているため、DIYであれば1万円以内に収まります。

戸建住宅の一般的な庭の広さは、30平方メートルといわれています。すべての敷地をDIYでまかなうには無理があるため、全面に砂利を敷く際は業者に依頼しましょう。なお業者に依頼する際の相場は、30平方メートルで約90,000〜120,000円となります。

砂利敷きは、大掛かりな工事も必要なく比較的簡単な方法とされていますが、それだけでは長期的な改善効果は見込めません。水はけを根本的に改善したい場合は、他の方法とあわせて使うとよいでしょう。

深刻な状況なら大掛かりな対策が必要

水はけが悪い原因がいくつもあり、かつ深刻な状況である場合は、より根本的な対策を検討しましょう。

まずは雨水桝に水が流れるよう地面に勾配を作る「表面排水」と、土壌の中に排水ルートを作る「暗渠排水」で水はけを改善する必要があります。土質に問題が見られる場合は「土の入れ替え」が必要です。より排水性を高めたい場合は、暗渠排水と土の入れ替えを同時に行うこともあります。

それぞれの方法や施工の手順を詳しくみていきましょう。

表面排水で水はけを改善

表面排水とは、地面の表面に側溝や勾配を作り、雨水を適切に排水する方法です。地面の表面から道路や排水溝などに雨水が流れ出るようにすることで、水はけを改善させます。

地中にパイプを通す暗渠排水よりも比較的簡単な工事で済み、すでに芝生が敷いてある庭でも水はけをよくする効果があります。

表面排水を作る手順は、以下のとおりです。

①側溝を掘る

側溝とは、地面に溜まった雨水を排水するために作る水路のこと。設置されている雨水桝の容量や庭の広さにあわせて深さを定め、土を掘って作ります。土を掘ったあとには、U字溝などの排水溝を設置します。

②庭全体に勾配をつける

作った側溝に雨水が流れ込むように、地面に土を盛って庭全体に勾配をつけます。

表面排水のメリットは、施工後に効果が目に見えて確認できること。工事完了後、雨が降った際は、地面の表面の水の流れを確認してみるとよいでしょう。

暗渠排水で水はけを改善

暗渠排水とは、地中にパイプを通し、そこから水が流れていくようにする排水方法です。土の中に溜まった雨水を、直接側溝や下水に流して土地の外に出してしまうので、水はけ対策としてもっとも効果的といえます。

暗渠排水は、重機で土を掘り起こす作業が必要となるため、表面排水よりも大掛かりな工事となり完成までに時間がかかります。また、庭に芝生を敷いている場合は、芝生を剥がす作業も必要です。

暗渠排水の施工は、基本的に以下の手順で行われます。

①勾配をつけて溝を掘る

まずは水の流れ道となる溝を作ります。雨水桝や排水溝に向かって流れるよう水勾配をつけながら掘っていくのが重要です。溝ができたら際の土が流れないように、透水シートを敷きます。

②暗渠パイプを埋める

透水シートの上に砂利を敷き詰め、暗渠パイプを設置します。パイプの下に透水性の高い砂利を入れることで水がスムーズに流れ、土が詰まるのを防ぐ役割も果たします。

③溝を埋める

暗渠パイプの上にも砂利をかぶせ、さらに透水シートで覆って完成です。

土質を変えて水はけを改善

土が粘土質で水はけが悪い場合は、庭全体の土の入れ替えも必要となります。水はけが悪い土を掘り起こし、排水性の高い土に入れ替える根本的な水はけ対策です。

粘土質の土は通常の土よりも重く、取り除いた土の処理も必要なため、暗渠排水よりも手間がかかります。

土の入れ替え施工の手順を説明します。

①表面の土を剥ぎ取る

庭の表面30~50cmほど堀り返し、水はけの悪い表面の土をすべて取り除きます。

②水はけのよい新しい土へ入れ替える

取り除いた部分に、排水性の高い土を入れます。

暗渠排水工事を含む工事費用は40万円以上

暗渠排水工事を含む工事費用は、廃棄物や運搬のコスト、土質や立地など条件によって大きく異なります。

工事の費用相場を出すことは難しいものの、大掛かりな工事では40万円以上の費用がかかることも珍しくありません。

自分でできる対策方法で改善されない場合は業者に頼もう

もしも雨水桝のフタ交換や整地、砂利敷き(狭い範囲の場合)で、水はけが改善されない場合は、専門業者に相談することをおすすめします。

専門知識を持った業者であれば、庭の状態を見ただけで原因がわかるので、根本的な対策としてもっとも適した施工方法を提案してくれます。

水はけの改善を依頼できるのは、配管業者、土木業者、造園業者、外構業者など。3~5社に相見積りを取って判断しましょう。

見積もりの不明点はしっかりチェックし、値段だけでなく、施工方法やアフターフォローについてもよく確認しておくと安心です。費用はかかりますが、確実に水はけをよくしたいのであれば、業者への依頼を検討してみましょう。

まとめ

以上、庭の水はけを改善する具体的な方法を紹介しました。

水はけの改善方法は程度や状況によってさまざまですが、状態がそれほど深刻でなければ、簡単な方法で解決できることもあります。大掛かりな工事を検討する前に、まずは「庭の凸凹を整える」「砂利を敷く」「雨水浸透枡を設置する」といったところからはじめてみてはいかがしょうか。

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