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【JAPAN漆喰】本物のしっくいって何?

「漆喰」と「珪藻土」って何が違うの?

内装の塗り壁を検討する際に、よく聞かれる質問。それは、『“漆喰”と“珪藻土“って何が違うの?』という内容です。似たような性能を持っているところもありますが、原材料がちがうのでもちろんその効果も違うんです。

「漆喰」は石灰石を原材料としますが、「珪藻土」は珪藻(藻の一種)の殻が堆積した土を原材料とします。珪藻土そのものには固まる性質がないため、壁材の場合は泥や化学繊維などの固める素材と混ぜて使われます。このため珪藻土はメーカーによって混ぜる原料の違いやその配合が大幅に異なります。

また、機能性を比較すると「調湿性」は両方にありますが、漆喰よりも珪藻土の方が優れています。ただし、漆喰は、「消臭性」「防カビ・抗菌性」「不燃性」などその他も持ち合わせています。似ているようで違う性能、というのはこのようなところで実証されますね。

さらに、「漆喰」も石灰石を原材料に水や特殊な繊維材を使って製造しますが、市場にある「漆喰」という商品の中でも混合物の割合により成分が異なります。「天然素材100%の漆喰」というのは接着剤と繊維に違いがあります。

“本物”の漆喰である理由

漆喰にはボンド(化学接着剤)や繊維(化学繊維)が入っているものと、天然素材100%のもの2種類があることをご存知でしょうか?

市場にある「漆喰」には、施工性や価格面から化学製品を混合してつくられる商品も少なくありません。「JAPAN漆喰」の材料は、天然鉱物資源である「石灰」を主原料とし、天然海藻などからつくられる「糊」、麻などの植物繊維を刻んだ「スサ」の100%天然素材です。

JAPAN漆喰の主原料の石灰は、日本有数の産地である栃木県佐野市の石灰鉱山で採掘しております。(ちなみに、この地区の石灰石は2億5千万年前の海棲生物を起源としており、推定埋蔵量は15トンにもおよぶといわれているそうです。)

その、採掘された石灰を炉(窯)で焼く“焼成“という工程を経た石灰石は白色化し、生石灰となります。これに水をかけると発熱し、漆喰の原材料である”消石灰“になります。この工程を”消化“といいます。その後、消石灰に“糊”や“スサ”を混合し、製品化していきます。

このような工程を通して、JAPAN漆喰ができるわけですが、実は“焼成”の工程に大きなポイントがあります。

守り続ける製法「塩焼き」

「塩焼き」で石灰を焼成するのは、全国でも数社。粉砕された石灰石を昔ながらの土中炉(塩焼窯)に投入し、岩塩を加えて約1000℃の高温でじっくり時間をかけて焼いていきます。

この方法が「塩焼」と呼ばれ、長い歴史の中で完成された伝統的な製造方法です。塩焼で製造した石灰は、ほかの製法でつくられたものと比べて粒子が大きいという特徴があり、より白く、ひび割れに強い漆喰になります。

これが「JAPAN漆喰」が“本物の漆喰”と呼ばれる理由です。

江戸時代から続く、伝統的な製法

創業当時から続く塩焼製法ですが、東日本大震災の影響で50年以上使用した土中炉が崩壊、存続の危機に直面しました。「塩焼きをやめるか、続けるか大きな葛藤を乗り越えて『塩焼きでつくられた“漆喰”を供給する責任がある』と炉の再建を決心。2017年4月に新しい焼成炉が完成しました。こうして受け継がれる伝統的な製法があるからこそ、今も昔も変わらず「JAPAN漆喰」をご提供できております。

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